Ending どうしてお前とふたり。 「眠れるわけがない」 眠れるわけがない、そんな当然のことを。 夜の空には満天の星。 だけど別にそんなものを望んだわけじゃない。 闇に流れる星粒が願いを叶えてくれることはないだろう。 だけど別にそんなことを望んでいたわけじゃない。 願ったことすらないのだから。 星空は美しすぎるというけれど、過去は決して美しくはならない。 知っていたからなのか、 知ってしまったからなのか、今はただ輝く星が目に痛いんだ。 夜の中の吐息が、虫の声よりも鮮明に聞こえてくる、この距離感の所為で。 どうしてここにいるのだろう。 憎しみしか生まれないのに。 どうしてここにいるのだろう。 どちらも愛されなかったから? 頭を撫でられながら眠った夜を忘れてしまったから? もう、俺とお前しか残っていないからなのか? 今はただやわらかすぎる月の光が目に染みるだけだ。 そこに夜が来たって、そう簡単に 眠れるわけも、ないのに。 |